由来
中国北部、モンゴル等の乾燥地に自生するマオウ科の常緑低木。支那麻黄(草麻黄)(Ephedra sinica)、合麻黄(中麻黄)(Ephedra intermedia)、木立麻黄(木賊麻黄)(Ephedra equisetina)の地上茎。節を取り除いて使う。節には薬効を妨げる成分が含まれているからである。
性状
六陳の一つ。数年保存してやや黄色味を帯びたものの方が激しい作用が緩和されるようである。噛むと渋みの後に苦み、そして舌に麻痺感が残る。麻痺させ色が黄色だから麻黄と呼ぶ。麻とは全く関係は無い。
薬徴
喘咳・水気を主治する也。旁ら悪風・悪寒・無汗・身疼・骨節痛・一身黄腫を治す。
解説
麻黄は水である。使用するときには水を感じなければならない。表位上部の水を去ることを主とする。汗を出して水を去る場合もあれば汗を止めて小便に出したりもする。咳にもどこか水を感じるはずである。
以前に麻黄を単品で購入したいと求める男性が来た。これは麻黄に含まれる覚せい剤原料のエフェドリンを求めてのものなので、警察に連絡する事案である。警察もそういった犯罪に注意してくださいとたまにビラを置いてゆく。
薬効
発汗、鎮咳、去痰、抗炎症作用。
処方
- 麻黄湯
- 甘草麻黄湯
- 大青竜湯
- 越婢湯
- 越婢加朮湯
- 越婢加半夏湯
- 小青竜湯
- 麻黄附子細辛湯
- 麻黄附子甘草湯
- 葛根湯
- 烏頭湯
- 麻黄連軺赤小豆湯
- 麻杏甘石湯