甘草

炙甘草

由来

中国、モンゴル、ロシア、スペイン等に分布する、マメ科多年草ウラル甘草(Glycyrrhiza uralensis)またはスペイン甘草(Glycyrrhiza glabra)の根、及びストロン。

性状

甘味が強く、苦みが少なく、質が密で黄色が強いものが良品。味が薄く、内部が朽ちて茶褐色になったものは良くない。産地は中国の東北か西北が流通しているが、東北甘草の方が良いと言われる。値段も高い。

薬徴

急迫を主治する也。故に裏急・急痛・攣急を治す。しかして旁ら厥冷・煩躁・衝逆、之れ等諸般の急迫の毒を治する也。

解説

甘草は急に差し迫った症状を良くするとある。まるで緊急に使用するステロイドのようではないか。
また、甘草の主成分のグリチルリチンはアルドステロン(副腎皮質ステロイドホルモン)と構造が良く似ている。また、甘草の副作用に偽アルドステロン症がある。そのため修治法として甘草は炙って胃もたれや浮腫を和らげる。
300年以上前に甘草の薬効を急迫と一言で表し、それが現代になってステロイド様効果と解明されるとは吉益東洞の凄さを思い知るのである。

薬効

処方

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