芍薬

由来

中国、朝鮮半島、日本原産のボタン科多年草シャクヤク(Paeonia lactiflora)の根。

性状

円柱形で外皮は淡褐色。表皮を軽く除いて刻む。肥大し内部は白く緻密で充実したものが良品。切断面が暗褐色で細く短く折れたり虫食いがあったりは良くない。

芍薬には産地の区別として“大和”、“大潟”、“中国”等の種類がある。
大和は奈良県を中心とする。
大潟は新潟、長野産である。
大和>大潟>中国で質が良い。

白芍、赤芍、真芍の別を述べる。
白芍はPaeonia lactifloraの表皮を除いて刻んだ上記のものである。
赤芍はPaeonia lactifloraの外皮ごと刻んだもの、もしくは外皮ごと湯通しして乾燥させたもの。または、別種の草芍薬そうしゃくやくPaeonia obovataの根。またはPaeonia lactifloraの栽培品を白芍、野生品を赤芍、さらにはPaeonia lactifloraの花の色が白いものを白芍、赤いものを赤芍と呼んだり、時代や地方によって異なる。
真芍はPaeonia lactifloraの表皮を薄く剥がし、蒸して乾燥させたもの。
通常は白芍を用いるべきと思う。

薬徴

結実拘攣を主治する也。旁ら腹痛・頭痛・身体不仁・疼痛・腹満・咳逆・下利・腫膿を治す。

解説

実を結ぶように固くひきつれたものを主治するとある。それは手足や腹の筋肉だけに留まらず、子宮平滑筋や呼吸器の平滑筋、皮膚が固く拘攣した腫れものにも効くのである。

薬効

鎮痛、鎮痙、消炎作用。

処方

  • 排膿散
  • 枳実芍薬散
  • 芎帰膠艾湯
  • 附子湯
  • 烏頭湯
  • 黄芩湯
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