由来
東アジア温帯に自生するセリ科多年草、三島柴胡(Bupleurum falcatum)の根。静岡県三島地方で採取されたものが良質だったため三島柴胡と言われるようになった。
性状
細長い根を持ち、苦く、香気が強いものが良品。一年物よりも二年育ち完熟した根が良い。
薬徴
胸脇苦満を主治する也。旁ら寒熱往来・腹中痛・脇下痞鞕を治す。
解説
胸から脇にかけて、多くは右側につかえたようで苦しい感じがする、これを胸脇苦満と言う。これは自覚的にも、また他覚的にも指を季肋部に差し込むとつかえたような抵抗を感じる。この胸脇苦満を和すのが柴胡である。柴胡の配合された薬方には必ず胸脇苦満が存在し、また胸脇苦満が無ければ柴胡は使用しない。
薬効
消炎、解熱作用。慢性肝炎、小児腺病質。