由来
サワーオレンジ(Citrus aurantium)、橙(Citrus aurantium var. daidai)、または夏蜜柑(Citrus natsudaidai)の未熟な果実。また日本薬局方からは除かれてしまっているが枳(枸桔)(Poncirus trifoliata)も使われる。
性状
果皮は青黒色で厚く、果肉は充実し、苦みと辛味の強いものが良品。小さく切り口の黄色いものなどは良くない。
薬徴
結実の毒を主治する也。旁ら胸満・胸痺・腹満・腹痛を治す。
解説
結実の毒といえば大黄である。枳実と大黄の違いは何であろうか。枳実は気実なので気を破る。その結果、気・水を巡らす。大黄は通利し、気・血・水の結滞を除く。やはりこの二つの生薬は仲良く様々な薬方で一緒に使われることが多い。