由来
キンポウゲ科の多年草ハナトリカブト(Aconitum carmichaeli)またはオクトリカブト(Aconitum japonicum)の塊根。加工せずそのまま使用する生附子と熱を加えて修治する炮附子がある。
現在では毒性を和らげるため、高圧蒸気処理加工(加工附子・修治附子)、NaClまたはCaCl2のの水溶液に浸漬した後高圧蒸気処理加工(炮附子)、NaCl水溶液に浸漬した後Ca(OH)2を塗布加工(塩附子)などの種類がある。加工附子>塩附子>炮附子の順にアルカロイド含有量が多い。褐色円錐形の塊根を乾燥、刻み、修治し使用する。
性状
独特の匂いが特徴である。噛むと舌が痺れるのだが噛んではいけないのである。東北日本海側産が良品という。
薬徴
水を逐ふを主る。故に能く、悪寒、身体・四肢及び骨節の疼痛、或いは沈重、或いは不仁、或いは厥冷を治す。而して旁ら腹痛・失精・下利を治す。
解説
水を除く生薬である。附子は下痢、厥冷など下降する水を治す。大戟、甘遂との区別が必要。また、附子は陰証の生薬で陽証に使ってはいけない。附子中毒を引き起こしやすくなる。おおまかには、水、冷えが目標になる。それに痛み、下痢なども目標にしてよい。
薬効
鎮痛、強心、利尿、代謝促進、冷え性など。
処方
- 麻黄附子細辛湯
- 桂枝加朮附湯
- 桂枝附子湯
- 桂枝甘草附子湯
- 附子湯
- 真武湯
- 附子粳米湯
- 麻黄附子甘草湯
- 附子瀉心湯
- 四逆湯