手足口病

コクサッキーA群ウイルスとエンテロウイルス71型への感染が主な原因で、手や足の裏、口の中などに小さな水ぶくれのような発疹を引き起こす。咳やくしゃみによる飛沫感染、また便にもウイルスは存在するのでオムツ交換時やくしゃみのついたドアノブに触れるなどの接触感染も見られる。また、ウイルスを含む水ぶくれが破れることによって感染が広がることも多い。
感染後、3~5日ほどの潜伏期間を経て口の中、手のひら、足の裏、肘、膝、お尻などに小さな水泡が現れる。水泡は痛みやしびれなどを引き起こし、また口の中の水泡が破れ潰瘍を形成し痛みにより十分な飲食ができなくなる。発疹のほか発熱が見られることもあり、多くは1週間以内で自然に軽快する。しかし、まれに体内で増殖したウイルスが血液に乗って髄膜や脳に波及すると、髄膜炎や脳炎などの重篤な合併症を引き起こすことがある。手足口病の症状が軽快して1か月以内に、手足の爪が剥がれ落ちるといった症状があることも報告されている。
小児を中心に夏季に流行する。発症者の約9割は5歳以下の乳幼児で、一度感染すると免疫ができ、同じウイルスに再び感染したとしても手足口病を発症することは少ない。しかし、原因ウイルスは複数あるため再発することもあり、成人でも発症する場合がある。
特徴的な症状のため、年齢や流行期などを考慮し、特別な検査をすることなく診断が下される。
しかし、重篤な合併症を引き起こしたケースなど原因となったウイルスの特定が望まれるような場合には、水泡の内容液、喉や鼻の粘液、便などにウイルスが含まれるか調べる検査が行われる。また、各ウイルスに対する抗体の量を調べるための血液検査が行われることがある。

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