由来
ウマノスズクサ科の多年草、薄葉細辛(Asiasarum sieboldii)または鶏林細辛(Asiasarum heterotropoides var. mandshuricum)の根、及び根茎。
性状
気味が烈しく辛く、香りの強いものが良品。昔から葉柄が付いたものはお葉付細辛と言い、良くないと言われていたが、葉を含む地上部には腎毒性のあるアリストロキア酸が含まれていることが明らかとなり、現在では地上部は除かれて流通している。
薬徴
宿飲・停水を主治する也。故に水気心下に在り咳満するを治す。或いは上逆、或いは脇痛するを治す。
解説
宿飲・停水は滞って流れていない水のこと。これが心下にあり、咳や呼吸困難、胸や胸脇に痛みを起こす。胆管結石の痛みにも良いと言われる。また、金匱要略の防己黄耆湯には下半身に陳寒ある者には細辛を加えるとある。細辛は上半身だけの効ではない。
薬効
処方
- 大黄附子湯
- 当帰四逆湯
- 当帰四逆加呉茱萸生姜湯
- 小青竜湯
- 麻黄附子細辛湯
- 苓甘五味姜辛湯