由来
クロウメモドキ科の落葉高木、棗(Ziziphus jujuba var. intermis)の果実。中国、朝鮮半島、日本に自生。
性状
採取した果実を軽く湯通しした後、乾燥。大粒で皺が少なく、核が小さく果肉が多く弾力のあるものが良品。硬くて皺が多く果肉の少ないものは良くない。修治の擘とは核も果肉も砕いて用いること。甘味と酸味の混ざった香り、味も甘い。
薬徴
攣引強急を主治する也。旁ら咳嗽・奔豚・煩躁・身疼・脇痛・腹中痛を治す。
解説
大棗を用いるには攣引強急があるかを一の目標とする。すなわち引っぱり強くひきつれる状態があるかどうかである。咳嗽や腹痛はそれに付随するものである。芍薬や甘草との鑑別が必要。大棗が効くのは主に上半身である。