由来
日本、中国、韓国などに自生するセリ科多年草の当帰(大深当帰=大和当帰)(Angelica acutiloba)または北海当帰(Angelica acutiloba var. sugiyamae)の根。
性状
ひげ根がたくさんついた紡錘形の根を持つ。味は始め甘く、のちに苦辛い。セロリ臭が強いものが良品。
解説
吉益東洞は薬徴において当帰の記述を完成させることはできなかった。一般的に現在では当帰は治血と言われるが、東洞は当帰生姜羊肉湯や奔豚湯に当帰が含まれていることに矛盾を覚えたようで、治血の薬となすべからずと言っている。
さて、実際は当帰は温性の駆瘀血剤として使われることが多かろう。川芎と芍薬、地黄などと区別が必要になる。
当帰は温める。
川芎は巡らせる。
芍薬は緩めて流す。
地黄は補い、乾血、血熱を治す。